スマホ認知症
先週、ラジオを聞いていたら、最近「スマホ認知症」なる用語が出回り始めたということを番組進行が話しているのを耳にしました。Yahooニュースにも記事が出てましたね。
スマホ認知症とは、スマホの使いすぎで物忘れしたり、集中力を欠いたり、認知能力が低下し、将来的にも認知症にある恐れがある・・・といった話。高齢者よりも若者に起こりやすいというものです。
「症」というのは症状(症候群)を指す言葉で、何か特定の「病」を指す病気ではありません。
特定の症状ではなく、いろんな症状が出るということです。
そういう意味では明確なものではないため、今後いろんな症状が付け加えられていくかも知れません。
そりゃ、今の時代、スマホを使わない人はほとんどいないわけですから、認知能力が下がれば、何でもかんでも「それはスマホによる認知症ですよ」などという見解がまかり通ってしまうかもしれません。
なので安易にこのような用語が流行るのはね。。。
みなさんはどう思いますか?
メタボリック症候群とか、ロコモーティブ症候群とか、色々新語は飛び交ってきてますが、これによって翻弄される患者さんの気持ちを考えると、なんともな〜・・・という気になります。
人間の身体というのは、千差万別十人十色で食・運動・睡眠などの生活習慣や労働環境の違い、個々の骨格から内臓に至るまで何から何まで異なっているわけで、
それを一定のラインで区切るというのは、かなり乱暴な線引きなのではないでしょうか? と医療を勉強し始めたころからずっと思ってきてます。
養老孟司さんも彼の著書の中に、健康診断について似たようなことを書いてあるのを読んだことがあります。
もちろん明らかに症状が出ていて検査して極端な異常値が確認されれば、それなりの対処をせざるをえません。
しかし、多少の数値の誤差でメタボだなんだと枠に嵌めるのはどんなもんでしょうか・・・
話を戻して、「スマホ認知症」ですが、スマホの使用により認知力が落ちるのかどうかはまだよくわかりません。何しろスマホなんてたかだか21世紀に入ってから普及し始めたもので、まだまだ20年程度の浅い歴史でしかありません。
これからの研究次第では将来何か明確な根拠や内容が見えてくるのでしょうが、現時点においては、そもそも認知症に効く薬などがあるわけでもなく、それを治せる医者はいないわけだから騒いだところで仕方ないのではないのでしょうか。というのが個人の感想です。
もちろん、スマホの見過ぎ・使いすぎによる眼精疲労、肩こり、頭痛、腕の痺れや痛みなど、身体に負担をかけるものであるというのは周知の事実かと思います。睡眠障害など日々の生活にも影響を及ぼすことがわかっています。
また過去に「院長のブログ」において「スマホ脳」という本を紹介しましたが、スマホが起こす社会問題という負の部分もあることを指摘しておかねばなりません。
スマホに限らず、何事もほどほどに。
しっかり目と脳を休めて、時にはデジタル社会から離れて自然の中で過ごしてみることも大切なのではないでしょうか。
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